アンリアレイジの森永邦彦氏の著書「A LIGHT UN LIGHT」を読んだ
今年も残すところ、あと一日。今日で2023年が終わる。今年もいろいろあったけど、いい年だった。明日からの2024年はもっといい年にしたい。毎年そう思っているから、本当に毎年、前の年を超えていい年になっているなら利回りで今ごろ相当いい年になっているはずなんだけど。
さて、2017年に出版された「A LIGHT UN LIGHT」を読んだ。アンリアレイジのデザイナー森永邦彦氏と写真家の奥村由之氏の共作本で、森永氏の言葉と奥村氏の写真が交互に出てくる構成になっている。テーマは、光と影。実は奥村氏の写真が見たくて購入したのだが(もちろん写真はとてもいい)、森永氏の言葉は、どんな仕事にも通じるところがあっておもしろい。それを本文のなかから少し抜粋してみる。
「服をつくる時に定規を使いますが、その定規がもし狂っていたらできあがった服はおかしな縮尺のものになります。服をつくる前にまず面白い基準の定規をつくって、それで服をつくってみようと思ったわけです」
「かわいい、かっこいい、うつくしい、あたらしい、ではなく、もう少し他の言葉で洋服を語ることが必要だと感じています」
「藤子・F・不二雄さんの異色短編集が好きです。あの日常のなかの非日常、そして、ちょっと悲しくユーモアがある世界観に影響を受けています。洋服でもサイエンス・フィクション(SF)をやりたいわけじゃなくて、藤子・F・不二雄さんの言う、すこし・ふしぎ(SF)を大切にしたい」
写真もこういう発想で撮れるといいなと思う。写真だけじゃなく、建築もそうだし、仕事全般がそうなのではないだろうか。自分のなかの基準を変えてみることや、「かわいい、かっこいい」以外の言葉で語ること、「すこし・ふしぎ」を大切にすること。私もそういう写真が撮りたい。そして、私はまんまと藤子・F・不二雄氏の異色短編集を買うことになる。
写真は、長崎市の諏訪神社。「長崎くんち」で有名な神社である。今年も0時少し前から初詣で賑わうことだろう。下の2枚の写真は、諏訪神社の境内にある境内社「祖霊社」と「八坂神社」の石段。
2023年10月某日撮影