ゴールデン・グローブ賞主要2部門受賞映画「哀れなるものたち」を観た

十八親和銀行本店

 エマ・ストーン主演、ヨルゴス・ランティモス監督の「哀れなるものたち」を観た。ゴールデン・グローブ賞の作品賞と主演女優賞を受賞した作品だ。私は、受賞を知らずに観たのだけど(このブログを書くためにオフィシャルサイトを見て知った)、率直に主演女優賞は堅いと思った。エマ・ストーンの演技はそれくらいすごかった。「アメージング・スパイダーマン」のころとはまったく違う迫力。

 主人公のベラ(エマ・ストーン)は、自殺によって一度は死んだ女性。天才外科医によって蘇った(ちゃんと脳が成長するのでゾンビとは違う)彼女は、最初は外科医の屋敷のなかで暮らしているが、だんだん外の世界に興味を抱いていく。そんなある日、偶然屋敷に訪れてベラに一目惚れした昭和のエロおやじみたいな男がベラを旅に誘う。そして、旅に出て、そのなかで急速に成長していくのだ。その結末や、そもそもベラの出自(自殺にいたった経緯など)も気になるところだろう。

 一緒に旅に出る男性に扮するのは、あのアベンジャーズのハルク役のマーク・ラファロだ。すごい俳優は、役によってまったく違う人物になることができる。エマ・ストーンやマーク・ラファロがそうだ。あのハルクには到底見えない。どう見ても、金持ちのエロおやじにしか見えないのだ。ベラはまだ成長途上で幼児性が高いので仕方ないけれど、ふたりとも己の性欲を隠さない(そういうところがR18指定)。

 この映画の魅力は、脚本や俳優だけではない。映像が素晴らしい。個人的には、船旅に出てくる海の映像が気に入っている。ヨーロッパの街並みも美しい。ずいぶん変わった映画なので、すべての人におすすめというわけではないけれど、この映像を見るだけでも価値があるかもしれない。

十八親和銀行本店
十八親和銀行本店と出島橋

 さて、写真は、長崎市にある十八親和銀行本店。その手前にかかっている出島橋は、現存する鉄製道路橋としては日本最古の橋である。

 2023年10月某日撮影

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