ロウ・イエ監督の2019年のノワール・サスペンス映画「シャドウプレイ」を観た

長崎みなとメディカルセンター

 ロウ・イエ監督の映画「シャドウプレイ」がレンタル開始となったので観た。2013年に広州市で実際に起きた汚職事件をベースにしたノワール・サスペンスだ。再開発地区で住民の暴動が起こり、現場に向かった開発責任者のタンはその地区の一角にある建物の屋上から転落死する。事故なのか、他殺なのか。刑事のヤンが捜査に乗り出すが・・・といったストーリー。

 中国映画は、ロウ・イエ監督やウォン・カーウァイ監督の作品をよく観る。テーマやストーリーはもちろん気に入っているけれど、いちばんは、映像に惚れ込んでいる。ドキュメンタリーのようにリアルでありながら、どこか美しく感じられる。

 この映画に対する監督へのインタビューをネットで読んでみると、あの、人の目線のようなカメラワークが生まれたのは、役者にその人物になりきってもらうためなのだそう。その役になりきっていれば動きが自然になり、カメラはただそれを捉えているだけ、という撮影になる。撮る側としては、役者が既定路線の動きをしてくれないから難しくはあるけど、それが臨場感のある映像となり、観る側も物語に引き込まれるのだろう。

 カメラワークありきではなく、役者ありきでもなく、役ありき。建築写真もなにかそういうふうに考えて撮ると傑作が生まれるのだろうか。映画のように、建築と人の関わりが撮れるといいのかもしれないと、漠然と思っているところ。

 さて、写真は、長崎市の長崎みなとメディカルセンターを水辺の森公園から撮ったもの。2014年に一期工事が完成し、すべて完成したのは2017年。設計は、久米設計・大成建設・松林建築設計・池田設計が共同して行っている。

 2023年9月某日撮影

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