山田孝之と仲野太賀のW主演、白石和彌監督の映画「十一人の賊軍」を観た

長崎歴史文化博物館

 映画「十一人の賊軍」を観た。山田孝之と仲野太賀のW主演、「凶悪」や「孤狼の血」などで知られる白石和彌の監督作品だ。

 幕末の戊辰戦争を背景にしたストーリーで、新潟の新発田藩は、官軍(新政府軍)か、旧幕府軍か、どちらにつくかで城内が揺れている。状勢は明らかに官軍優勢。しかし、官軍に対して兵を出さねば裏切り者として即刻旧幕府軍から攻撃を受ける。

 新発田藩の家老・溝口内匠(阿部サダヲ)は官軍につきたいと思っているが、領地を戦火から守るために、その裏切りを旧幕府軍に悟られてはならない。旧幕府軍を先へと進軍させて新発田を素通りさせ、報復をかわし、その後に領内に入ってきた官軍に寝返る、というシナリオを描いている。

 そのためには旧幕府軍が領地を通り過ぎるまで、官軍の進軍を遅らせる必要があった。しかも官軍には、進軍を止めているのが新発田だと悟られてはならない。

 そこで集められたのが、新発田の正規軍ではなく、罪人の10名。山間に陣を築き、官軍の進軍を止めて時間を稼ぐことができた暁には、無罪放免すると約束されている。陣の指揮を執るため、溝口内匠の命により、城下の剣術道場の鷲尾兵士郎(仲野太賀)が加わり、これで合計11人。

 映画を観る前、フジテレビの「ボクらの時代」にこの映画に出演している、山田孝之、仲野太賀、岡山天音が出ている回を観た。番組のなかで仲野太賀は、映画の撮影中にNHKの大河ドラマの出演が決まったことを話していた(2026年放送予定「豊臣兄弟!」の主演)。そのあと演技が変わったかも、と冗談を言っていたのだが、もしかすると撮影は時系列ではないかもしれないけれど、たしかにクライマックスは迫真の演技で感動した。少しは本当だったのかな、と思った。

 官軍は兵力の数もさることながら、火力も強く、大砲で陣を攻撃してくる。賊軍は、手投げの爆弾(花火玉をアレンジしたもの)や火縄銃で応戦。この白熱の戦闘シーンは音響もすさまじい。あの臨場感はぜひ劇場で味わっていただきたいと思う。

 写真は、GFX100でスナップ撮影した、長崎歴史博物館の敷地内観。

 2024年9月某日撮影

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