旅を検索するキーワード(テーマ)を何にするか

 コロナが5類に分類されてまもなく1年が経つ。せっかく旅行に行ける環境に戻ったのだからどこかへ行きたいのだけど、どこへ行ったらいいのかわからなくなってしまった。コロナ前は、行きたいところが山ほどあったのだけれど、一度中断されてしまうと、そこが本当に行きたかった場所なのかあやふやに思えてくる。

 旅のリハビリとして、欧米などのロングな旅はまだちょっと行く気になれない。3泊4日ほどの短距離の海外(つまりアジア)、もしくは、2泊3日の国内がちょうどいい。まず、そうやって「時間」で絞り込むだけで、広い世界がぐっと小さくなる。

 限られた時間のなかで旅行するために、移動距離を考えることはもちろんだけれど、もっとも考えたいのは乗り継ぎだ。乗り継ぎは無駄に時間を使う。そうすると、私の場合、福岡や長崎からの直行便が出ている場所、という縛りができる。

 ところが福岡空港を拠点にすると、さすがアジアの玄関口と言われるだけあって、国内を含むアジア全域のメジャーな都市はだいたいどこでも3泊4日で行ける場所になってしまう。「時間」だけで旅を検索しようとすると、結局、旅先を選べない。なにか、キーワードが必要だ。

 たとえば、グルメはどうだろう。「グルメ」も言葉として広いので、「麺」などで絞ってみる。さらに絞って、「うどん」をテーマにすると、香川県(福岡→徳島→香川)が旅先として浮上する。「そば」だと、長野県(福岡→松本)。「ラーメン」だと、上海、香港、台北(私は博多がもっともうまいと思うけど)、「フォー」だとハノイやホーチミン、「ジャージャー麺」だとソウルや釜山。というふうに、まずテーマによって旅先が決まり、旅先が決まってから、そこでの過ごし方や訪れたいスポットを探していくというやり方がいいように思う。

 今年は「建築」というテーマもいいなと思っている。もちろん、これまでも旅先では必ず建築物の写真を撮っていたのだけど、あくまで旅の目的は別にあった。旅のついでにそこにある建築物を撮っていたという感じ。建築物を目的に旅するなら、サグラダ・ファミリアのあるバルセロナなんていいなと思うのだけど、時間の縛りがあるので。

 さて、写真は前回に引き続き、長崎県の池島。池島の建築物でもっとも有名な「8階建てアパート」。エレベーターはないけれど、最上階からの眺めはさぞがし良いのだろう。

 2023年12月某日撮影

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