趣味のカメラを富士のX-T2からX-T5にアップデート

池島

 今日はカメラの話。仕事ではCanonのR5を使っている。プライベートでは富士フィルムのX-T2。X-T2を仕事で使うことはないし、R5をプライベートで使うこともあまりないので、メインとサブという関係ではなく、それぞれが仕事と趣味のメイン機という感じ(断っておきたいのだが、このページに掲載している写真はそれらのカメラで撮ったものではなく、フィルムカメラで撮った写真。紛らわしくてすみません)。

 その2台体制でやってきたのだが、今年3月、X-T2をX-T5にアップデートした。きっかけは、SIGMAのXマウントレンズ、10-18mm F2.8 DCDNが発売されたこと。建築写真を撮っている身としては、この軽量コンパクトな広角ズームレンズがとても気になっていて、X-T2で試験的に使ってみたら、テレ端側がもうちょっとあるといいなと思うけれど、使用感はとても良かった。とにかく軽い。プライベートで使うなら、画質重視で機材が重くなるより、一日持って回っても肩や首が疲れないものがいい。

 ただ、室内や夕暮れの外観などを撮るとき、当たり前だけどX-T2だとブレる。かといって、三脚を一緒に持ち歩くなら、カメラやレンズを軽量化している意味がない。だから、手ぶれ補正機能が付いているX-T5を購入しようと思ったのだ。

 何を撮るかにもよると思うのだが、私のプライベートの撮影用途では、X-T5以外の選択肢はほぼない。①軽量であること、②背面モニターが2軸でシフトすること、③手振れ補正が付いていること。このわずか3つの条件を付けるだけで、X-T5に絞られてしまう。②と③だけなら、ほかにもSONYやNikonの上位機種、富士のGFXシリーズなどがあるが、どれもそれなりに重い。それに、それらのカメラだと、自らのシステムのなかで機能的にR5と競合してしまう。

 余談だが、仕事用のカメラを一眼レフからミラーレスに変えるときはずいぶん悩み、R5を使いながら、SONYのα7RⅣやGFX50SⅡなども実際に使ってみた。仕事では①の条件はまったく気にしない(どんなに重くてもいい)。狭い室内での撮影で、壁ギリギリまで下がったときには②の条件からα7RやGFXのほうがだんぜん使いやすいし、画質も相当よかった。けれど、私にとってはCanon純正のドロップインフィルターマウントアダプターが使えるメリットはそれよりもっと大きい。現在では、試した機材はすべて売却し、R5に固定している。GFX100Ⅱはとても気になるが、もうやめとこうと思っている。

 まだ本格的に稼働していないので、X-T5の良さはまだわかっていない。なにしろ、外観はX-T2とほとんど変わらないから、アップデートした実感もあまりない。少し使った感想としては、手振れ補正はすごいと思った。しっかり止まる。R5より強力だと思う。それと、人を撮るとき、瞳AFがX-T2とは比較にならないほど吸い付く。これもびっくりした。さすがにX-T2からのアップデートだとかなりの進化を感じる。

 X-T2はかなり気に入っていて、特にあのシャッター音は最高だった(だった、というのはX-T5と引き換えに売却したから)。X-T3が登場したときには、まだまだX-T2にまったく不足を感じなかったし、X-T4はバリアングルだったので興味がなかった。そこへきて富士がX-T5で原点回帰をしてきたので、アップデートするならここだ、とは前々から思ってはいた。

 画素数が4000万画素に大幅にアップしたことも良いと思った。シフトレンズを使わずに建築写真を撮った場合、建物の垂直を補正することはよくある。場合によってはそれによってだいぶトリミングされてしまうこともあるので、画素数が多いのはとても助かる。

 さて、写真は前回に引き続き、長崎県の池島。連載でお届けした池島シリーズもいよいよ大詰め。次回で昨年末に撮影した写真はひとまず最後になる予定。

 2023年12月某日撮影

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