2024年はもう一遍、相手目線でものを考えることをいつも意識して過ごしてみたい

 今日から2024年。深夜0時、初詣に出かけた。着いたころには神社の参道にはすでに行列ができていた。警備員の方が車道を空けるように行列を整理していて、道路の右側に人の列ができている。ところがだ。「参拝の方は左側に並んでくださーい!」と警備員。並び始めでまだ要領を得ていない私を含む何人かの人たちがこの声に導かれて左側へと移動した。すると、左側へやってきた私たちに驚いて「参拝客の方はあちら側にお並びください!」と右側の列を指して叫んだので、我々は謎の「左側誘導」に首をかしげながらまた右側の列の最後尾に並び直す。よく考えるとなんてことはないんだけど、警備員は体をこちら側に向けているので、自分から見て左側が我々の右側なのだ。

 仕事をしていると、「お客様の立場で考える」ことを期待される。相手の役に立って初めてフィーが発生するのだから当たり前といえば当たり前のことだ。写真の世界でも、自分ではいい写真だと思っていてもクライアントの役に立たないと意味がない。警備員は自分目線で誘導してしまっていたけれど、果たして普段の自分はどうか。いつも相手目線で考えることができているか。いや、自分目線で考えてしまっていることのほうがまだまだ多いように思う。

 今年になってまだ数分しか経っていないのに、早々とそういうことを考えさせられたエピソードだった。自分の感性を持ちつつ、求められればそれを提供し、そうでなければ自分をなくすことが仕事にはいちばん良いことなのだ。年末年始はテレビを見る機会が増えるのだが、売れているタレントはそういう人ばかりだ。求められていることをひたすら提供している。急にいますぐ変われないかもしれないけれど、このエピソードをここに書くことで記憶に残したいし、いつも思い出したいと思う。2024年はもう一遍、相手目線でものを考えることをいつも意識して過ごしてみたい。

 明けましておめでとうございます。まだ去年2023年の暮れから始めたばかりのWEBサイトですが、この「9+1ARCHITECTURES」では、日々考えたことや読書を通じて考えたこと、写真やカメラの話を書いていこうと思います。本年もよろしくお願いします。

 さて、写真は、長崎市にある長崎県立図書館郷土資料センター。2022年、長崎県立図書館跡地に完成した。県立図書館の本体は大村市に移り、「みらいon図書館」という名称で2019年に完成している。

 2023年10月某日撮影

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