人型AIロボット「エイダ」が描いた絵が、なんと130万ドルで落札されたらしい
今日、何気にニュースを見ていたら、人型AIロボットが描いた絵が、なんと130万ドルという値で落札されたというトピックが→BBCニュース。
私は少し前に、苅部太郎氏の写真集「あの海に見える岩を、弓で射よ」を購入してAIを使ったアートに感銘を受けていたところ。苅部氏はわざとAIにバグらせる手法で写真を驚くような芸術に昇華させている→苅部氏のHP。苅部氏のは、コンピュータ内部で処理したものを画像として出力したものだけど、今回の130万ドルの絵は、どうやらロボット「エイダ」が直に描いたもののようなのである。
エイダが描いたのは、数学者アラン・チューリング氏の肖像画。データとしてチューリング氏の画像を持っているはずなので、写実的に再現することもできたと思うのだけど、あえて崩してアーテスティックに仕上げられている。
人間によるなんらかの指示(インプット)に従ってエイダがこれを描いたのだとしたら、苅部氏のように、AIにつくらせた、人間による創作物ということになる。それだと、ただの作業ロボットに過ぎない。記事には詳しくは述べられていないが、今回の作品はエイダ自身による創造物のように見受けられる。そうでないと、これほどの値は付かないのではないか。
もしも、エイダ自らのセンスでこれを描いたとしたら、すごい。芸術とはどんなものか、エイダ自身が「理解」していることになる。正しくは、過去のあらゆる絵画を解析して「芸術」を学び、自ら創造したということだ。
写真の技術や感性は、多くの優れた写真集(あるいはテキスト)を見ることで上達するというけれど、AIにリアルタイムで取り込まれる圧倒的な情報量とその写真の要素の解析力は人間は到底かなわない。AIは「作業」のプロフェッショナルだと思い込んできたけれど、「創造」の分野にまでその能力が広がっていくと、ヒトって何をしたらいいのだろうと心細くなってしまう。
写真は、GFX100でスナップ撮影した、長崎市にある光永寺。中島川を散歩していて見つけた風景なのだけど、開発によって(悪くいえばどこにでもある都市へと)変わっていく長崎のなかで、まだこういう景色が保存されているのを見るとほっとする。
2024年9月某日撮影